六拾六年観艦式の旅(前編)
皇紀2666年10月21〜22日

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一夜明けて横須賀駅にてK氏と合流して一路新港埠頭へと向かう。

当然のことながら手荷物検査が行われるわけであるが、
近頃の若い人は二眼レフを知らないせいか、
ヤシカのケースを見てカメラだとは気がついてもらえなかったようである。



そんなこんなで乗艦開始。
ひとまずK氏を案内して艦内旅行。
艦内、飛行甲板、舷側通路、艦橋、主砲などを見て回る。

          
     


其のうちにちょうど時間になり、外側に停泊しているはるさめ艦、むらさめ艦が順に出港し始めた。
むらさめ艦が猿島の手前を抜けて行く所を眺めたが、

艦(船でも可)と言うと遠くから眺めているせいかゆったりと走っているように見えるが、
近距離で見るとかなりの速さで動いているのがよくわかる。
あれよあれよと言う間に、むらさめ艦は遥か沖合いに豆粒程度の大きさになってしまった。

さていよいよ吾等がおおなみ艦の出港である。
曳船によって離岸したおおなみ艦は、徐々に其の船足を早め一路浦が水道を目指して突き進んでいく。

     
艦橋左舷側甲板での測距作業と艦橋操舵席。


艦首での作業風景(鎖の巻き取り?)

きびきびとした作業風景や泰然として構える将校の姿は流石に軍艦ならではの見ものである。


左舷方向を眺めれば三笠艦、

ふと思えば三笠艦よりもおおなみ艦のほうが全長は長いが、排水量は三笠艦のほうが重い。
三笠艦にあっておおなみ艦にないもの、それは巨大なる主砲とハリネズミの如き副砲である。
やはり30cm連装砲2基は偉大だ。
まあ旧式とはいえ戦艦である三笠艦と新型とはいえ駆逐艦(護衛艦)のおおなみ艦では比較するほうがおかしいのだが・・・

今回の航海では他の艦艇や展示(観閲艦隊でないためあまり見られないが)の他にも、乗艦者のためのイベントもある。
まず前半としては手旗信号とラッパ演奏、次に主砲操法展示が行われる。


今や時代は広角砲
主砲は完全に機械化されて砲塔内は無人であり、遠隔制御で砲撃ができるらしい。

昼飯(崎陽軒のシウマイ弁当は美味であったが煮物が甘すぎる気がする)を食べ、
いよいよ観閲艦隊と相対して登舷礼を行う。
すわこそ行けの令一下、舷側通路を走ってくる下士兵卒。

一糸乱れぬ動きで敬礼を行う様は正に惚れ惚れとするような光景である。


登舷礼が終わり、次は艦隊、航空隊の展示である。
          
然し天気が悪いのと遥か遠くで行われているため見えづらい。
一つ気がついたのは、『弾撃つ響きは雷の声かとばかりどよむなり』と行進曲軍艦にもうたわれた砲声は、
海上と言う四方の開けた空間では音が拡散してしまい(近距離やより大口径のものならいざ知らず)
12.7cm単装砲の祝砲展示では「ポスッ」「ポスッ」としか聞こえなかった。



(砲声や伝わってくる衝撃だけで考えれば、総火演の九○式戦車の120mm砲の方が迫力があった。)
(まああちらは距離が近い上に後が斜面であるから当然と言えば当然だが・・・       )

又、曇天で遠方がかすんで見えるため対潜ミサイルの奇跡も見られなかったのは残念だった。



一通りの行事が終了し、一路横須賀へ向かっている途中、ついに雨が降り始めた。
小降りではあるが、大部分の乗客が食堂や格納庫に入ってしまったため、
格納庫は災害時の公民館(又は体育館)状態になってしまった。
ちなみに我々は場所がなかったのでしょうがなく舷側通路のカッター下でしのいだ。


伝えたりないところもあるが、とりあえずこのあたりでお開きとする。


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