軍歌・戦時歌謡・兵隊ソング


軍歌不毛時代

大正初期の軍歌は主に日露戦争時の様子や、軍人の心構えを歌った歌が多い。
世界大戦勃発に伴って、それら新曲軍歌が歌われるようになり、
『艦船勤務』や『軍艦旗の歌』などが愛唱された。
然し、明治期や後の昭和期に於ける軍歌の様に、広く國民に浸透する軍歌は出ていない。


一般には次のようにいわれている

大正3年に始まった第一次世界大戦。
其れは、世界中の国家が互いの利益(植民地、領土)を目当てに戦ったと云う面の強い戦争だった。
其の為、「国内の世論を統一し戦意を高揚する」と云う必要もなく、
軍歌もおざなりな物となり、現代まで残るような名軍歌は作成されなかったと云われている。

今に伝わるこの時代の軍歌としては名曲『艦船勤務』、『陸軍士官学校校歌』などがある。



兵隊ソング

兵営内で兵隊さんに歌われた歌で、大正期には主に明るくのんびりとした調子が流行りました。
これらの歌は、兵隊さんたちの間から生まれたものもあれば、演歌や替え歌などもあり、
現在では兵隊ソングとしての歌詞は知られずに歌われている物も多くあります。
替え歌は主に猥歌が多いようです。

亦、兵営内で時折催される無礼講の演芸会等からも傑作が生まれています。


『海軍軍歌』公布

大正3年1月に海軍省教育局より『海軍軍歌』が公布された。
同には海軍省委託の下、佐々木信綱、大和田建樹の作詞、軍楽長瀬戸口藤吉の作曲による新軍歌、
又、付録として多数の既成軍歌を収録した。
新軍歌には『黄海海戦』、『威海衛襲撃』、『日本海海戦』等が収録された。




大正軍歌一覧
作成・発表年名称作詞者作曲者種別
大正元年広瀬中佐  海軍軍歌・文部省唱歌
大正3年日本海海戦文部省唱歌文部省唱歌海軍軍歌・文部省唱歌
大正3年艦船勤務大和田建樹
佐々木信綱
瀬戸口藤吉海軍軍歌
大正3年黄海海戦大和田建樹
佐々木信綱
瀬戸口藤吉海軍軍歌
大正3年閉塞隊大和田建樹
佐々木信綱
瀬戸口藤吉海軍軍歌
大正3年威海衛襲撃大和田建樹
佐々木信綱
瀬戸口藤吉海軍軍歌
大正3年第六潜水艇の遭難大和田建樹
佐々木信綱
瀬戸口藤吉海軍軍歌
大正3年日本海夜戦大和田建樹
佐々木信綱
瀬戸口藤吉海軍軍歌
大正3年国旗軍艦旗大和田建樹
佐々木信綱
瀬戸口藤吉海軍軍歌
大正3年楠公父子大和田建樹
佐々木信綱
瀬戸口藤吉海軍軍歌
大正3年どこいとやせぬ添田唖蝉坊 銃後歌・演歌
大正4年頃新呉節(軍港節)  兵隊ソング
大正5年ダンチョネ節 神奈川県民謡兵隊ソング・民謡
大正6年のんき節添田唖蝉坊添田唖蝉坊兵隊ソング・演歌
大正7年鴨緑江節岡田三面子 兵隊ソング
大正10年頃スットコトン  兵隊ソング
大正10年以降ストトン節添田さつき添田さつき兵隊ソング
大正10年陸軍士官学校校歌陸軍戸山学校軍楽隊寺西多美弥陸軍軍歌・校歌・寮歌
大正12年橘中佐 岡野貞一陸軍軍歌・文部省唱歌
大正12年?青島節(ナッチョラン)添田唖蝉坊神長瞭月兵隊ソング・落語
大正12年頃美しき兵隊 大沼哲行進曲
大正13年頃ヨサホイ節秋月四郎秋月四郎兵隊ソング
大正14年2月千代田城を仰ひで 江口源吾行進曲
大正14年酋長の娘石田一松石田一松兵隊ソング・演歌
大正14年頃ハート・ソング渋谷白涙小島白露兵隊ソング
大正14年頃ハート・ソング渋谷白涙渋谷白涙兵隊ソング
大正14年?数え唄花子さんよ  兵隊ソング

このページで使用させていただいている曲はHP『おやじの唄』様より頂戴して参りました。

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