両手軍刀術

我が国に古来より受け継がれた剣術と、拳銃弾すらも両断する日本刀。
これらを実戦に即した形に改良したものこそが軍刀術(軍刀操法)であります。

両手軍刀術は大正14年に陸軍戸山学校で考案されたもので、
従来のサーベル型軍刀(片手軍刀術)から日本刀型軍刀への装備変更に伴って誕生しました。

この軍刀術は日本最後の実戦剣術、即ち武士としての軍人の最後を飾った剣術です。

現在も戸山流軍刀術等の名称で数派が存在し、受け継がれて居ます。


私見
軍刀術は必ずしも実戦で役に立つとは限りません。

(この点に関しては戦後諸所諸々の軍刀資料に記されている通りです。
 如何に白兵戦に優れるとも、間合の外からの攻撃(銃砲火)には弱いのです。

然し軍刀を刷き、軍刀術を修めることは武人の誇りであり魂であり、
帝國陸軍将校の精神的支柱としての役割と言う大役をになったと云えましょう。




提刀 不動の姿勢を取って刃を下にして、切先を斜め後方に向け、左手で鍔元を握る。 構刀から戻す時は、構刀を逆の手順で行う。 構刀 左手で刀を少し上げ、右手で鍔近くを確実に握る。 右足を約一足ほど前に出し、其の膝を僅かに曲げ、左踵を少し上げ、 上体を真直ぐにして腰の上に落ち着ける。 右手で刀を前に出し、左手で柄近くを握る。 此の時、両拳を内側に絞り左手が臍の近くに来るようにする。 切先は敵の目に向け、同じく目線も敵の目にあわせる。 前へ、後へ 敵に対して間合いを合わせる際に用いる。 構刀の状態で快速に、且足は地に近く。 刀の交叉 刀の尖端より一握りの所で刀の左側を交叉する。 斬撃部及び刺突部 斬撃 面、右籠手、右胴 刺突 喉 斬撃及刺突 1.斬撃 敵に対して構えの姿勢より両肘を張らず、正面より刀を振り上げ、 左足を十分に踏み切り、右足より素早く進出して切り込む。 此の時足は地に近くし、斬撃後は素早く構えの姿勢に戻る。 2.刺突 敵に対して構えの姿勢より左足で十分に踏み切り、 右足より素早く進出して勢い良く敵に刀を付きこむ。 刺突後は直に構え刀の姿勢に戻る。 3.面 左拳の下より刀を頭上に振り上げ、 前方に進出し敵の頭部に向かってまっすぐに切り込む。 4.籠手 両拳を挙げ過ぎることなく刀身を垂直に振り上げ、 前方に進出し敵の右籠手にむかって斬りつける。 5.胴 左拳の下より刀を頭上に振り上げ、 前方に進出し右斜め下に向かって敵の右胴に斬りつける。 反撃突 所謂反し技。 敵の攻撃を刃又は鎬で払い除け、 其隙に乗じて攻撃を加える。 1.面への返撃突 面に斬撃を加え来る敵の刀を払い、面に斬撃を加える。



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