大正天皇御製歌

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歌聖としても名高き明治大帝に感化され、幼少の頃より詩歌を嗜好なされ、
御製歌の数も大層なものでありました。

ここではそんな御製歌の一部を紹介いたしたいと思います。



田家煙(でんかけむり)

かぎりなき 山田の里の 賑わひも 立てる煙に 知られけるかな


松上鶴(しょうじょうのつる)

山松の 梢にすだく 雛鶴も 親に習ひて 千代呼ばふなり


雪中竹(せっちゅうのたけ)

降り積る 真垣の竹の 白雪に 世の寒けさを 思ひこそ遣れ


新年梅

あらたまの 年の始めの 梅の花 見る我さへに 微笑まれつつ


新年梅

船毎に しるしの旗手 うちなびき 浦にぎわしく 年立ちにけり


巌上松(がんじょうまつ)

吹き騒ぐ 嵐の山の 巌根松 うごかぬ千代の いろぞ静けき


新年山

あらたまの 年の始めに 仰ぎけん 君が御稜威の 彌高の山


新年河

たひらかに 年浪かへる 五十鈴川 神の恵みの 深さをぞ汲む


新年松

民は皆 年のはじめを 松の枝 門に飾りて 御代祝ふらん


社頭松(しゃとうまつ)

男山 みさをを変へぬ 若松の 末たのもしき 君が代かな


雪中松(せっちゅうまつ)

ふり積る 頭の雪ぞ あはれなる 老木の松は 人ならねども


新年雪

年立ちて 降る雪見ても 大君の 深き恵みを 人仰ぐらん


寒月照梅花(かんげつてらすばいか)

影冴ゆる 月にきほひて 咲く梅の 花の心ぞ 雄雄しかりける


松上鶴(しょうじょうつる)

こまつばら 末はるかにも 聞ゆなり 友よびかはす 雛鶴のこゑ


戦死者遺族

國のため たふれし人の 家人は いかにこのよを 過ごすなるらむ
ぬきがたき 塁ぬがんと 捨てし身を したふ妻子や いかに悲しき


戦利品を見て

もののふの 命をすてて 戦ひに かちしえものは 尊かりけり





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