大正三大洋食 コロッケの巻き

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大正時代はさまざまな洋食が庶民の間に広まった時代であり、
其の中でも特に庶民に人気があったものを『大正三大洋食』と云い、
其の中身はコロッケ・トンカツ(カツレツ)・ライスカレーです。

其の中でもコロッケは『コロッケの歌』に歌われた程の有名料理です。



そもコロッケとは如何なる物であるか(大正14年第1版・昭和6年第82版『廣辭林』より) コロッケ[Croquette] 西洋料理の名、 牛肉をきざみて、蒸したる馬鈴薯・小麦粉等を交へ、 これをかためて油にて揚げたるもの。 追 仏蘭西にて食されるコロッケは所謂『クリームコロッケ』であるが、 我が国のコロッケは馬鈴薯の中に挽肉を交ぜて揚げると云う独自の調理方法である。 追二 具は牛肉に限らず、獣肉、魚肉、野菜など、場所や家庭、店によって異なる。
海軍コロッケ 海軍大湊要港部にて艦艇乗組員が好んで食していました。 これは、明治41年、函館船渠社長の川田龍吉男爵が、 函館近郊の七飯農場で日本初の『男爵いも』栽培を始たことに始まります。 其の当時、海軍艦艇搭載の生鮮食料品は現地調達が原則でした。 其の為、大湊所属の艦艇が函館船渠で修理を行うたびに『男爵いも』を購入。 これを材料に作ったコロッケが海軍コロッケの元祖となりました。 昨年(平成15年、皇紀2663年)海上自衛隊大湊地方隊に於いて、 『ポテート』『フィッシュ』『ビーフ』の三種の『海軍コロッケ』が再現調理されました。 これらのコロッケは『海軍コロッケ定食』として隊員の昼食として提供されるほか、 イベントなどで販売することを予定しており、大湊の名物料理としての活躍が期待されています。
陸軍コロッケ 陸軍式コロッケは鮭缶肉(又は牛缶肉)を用いるを標準とし、 其の外に生の獣肉、魚肉等を用いる方法も行われる。 陸軍コロッケ調理記録
家庭料理としてのコロッケ 以下「東京女子家政学院編纂 婦女の栞(大正4年第20版)」よりコロッケの種類ごとの解説 コロッケー 肉類を細末にし、これにメリケン粉を塗して作りたるものなり。 種類多し。 普通コロッケー 牛肉を薄く切りてバタにて揚げ細かに叩き、これに刻みたる玉葱を叩き混ぜ、 長さ一寸程の俵型に作り、メリケン粉をよく塗して鶏卵液を付し、 直ちにパン粉を塗してヘットにて揚げたるものなり。 シート・コロッケー 牛肉を細かにしてバタにていため、又細かに叩き、 長さ一寸程の俵型に作り、 フツウコロッケーの如く、調理師たるものなり。 ポテトー・コロッケー 馬鈴薯の皮を剥きて塩茹でにし、水気を去りて裏漉しにかけ、 別に肉片をバタにていためたるを細末にし、 前の馬鈴薯に包みて一寸程の俵型にし、 メリケン粉を塗し、次に鶏卵液を塗り、 又パン粉を塗し更に鶏卵液を塗りかくすること三回の後、 直ちにヘットにて揚げたるものなり。 コロッケート・ラブスター 伊勢海老を茹で、皮を剥きて細かく賽の目に切り、 別器にベシャミー・ソースを作り、クリーム或は牛乳にて溶かし、 塩と胡椒を加え、匙にて掬わるる程の加減にし、 別に馬鈴薯を茹でて皮を剥き裏漉しにかけて、 鍋に入れ鶏卵の黄身及び牛乳と少量のバタとを加えてとろ火にかけて少し固くなるまで練り、 適量のチースを加え、板状に移し乗せて冷却するを待ち、 少しづつちぎりて掌に取り、その中に上の海老肉を包みて適宜に丸め、 メリケン粉を塗して鶏卵液をつけ、 又パン粉を塗り、ヘットのよく煮立ちたる中に投じて揚げたるものなり。 皿にはパセリを添う。 コロッケート・クラブ カニを茹でて肉を細かくむしり、塩と胡椒とにて味をつけ置き、 別器にベツヤシー・ソースを少し硬加減に作り置き、 其の中に細かに刻みたるパセリと玉葱を加え皮は馬鈴薯を持って作り、 普通コロッケーの製法の如くにし、ヘットにて揚げたるものなり。 コロッケート・クラム 鍋にバタを入れ、細かに切りたる玉葱を加え、 十分玉葱の香気の発したるを待ちに、 中に小さき蛤の肉を入れ、塩と胡椒にて味を付け、 少し液の減じたるを度として直ちに鍋をおろし、 其の液汁にてベシャミー・ソ−スを硬く溶き馬鈴薯にて皮を作り、 普通コロッケーの製法の如く、ヘットにて揚げたるものなり。


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