ぶらり奥多摩二人旅
皇紀2664年1月29日設置

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第一回 酒と自然と温泉の奥多摩

本日はMooMoo氏と連れ立って東京は西の最果て『奥多摩』へと足を伸ばした。

第一の目的地(合流地点)は沢井駅である。
沢井駅は何とも珍妙な外見をしている。
どこが珍妙かと云うと、駅の形状は線路をまたいだ通路しかないのであるが、
其の上にお堂の屋根のようなものが乗っているのだ。
何故そのようなものが乗っているのか不明であるが、確かに乗っているのである。


午前10時11分JR青梅線沢井駅着の電車に乗り合わせる予定であったが、そこはやはりMooMoo氏である。
氏が待ち合わせに遅れないなどと云うことは天気予報で9割5分を超える晴天確立の日に雨が降るようなものだ。
然し、電話は通じず、伝言板もなく、無人駅なので言付けも出来ない。
小澤酒造の酒造見学の予約が11時からだったこともあり、わしは一人で小澤酒造へと向かった。


小沢酒造見学
以前訪れたときよりも、施設が増えたり、説明が細かくなったりしていた。
今回は日本酒の吟醸・大吟醸・純米・醸造の違いについて講義を受ける。
講師は小澤酒造の従業員の方が、当番制で勤めておられるそうだ。

吟醸酒
玄米を10とした時に、6割以下に迄精米した酒米で造る日本酒。
大吟醸
同、5割以下に迄精米した酒米で造る日本酒。
(但し小沢酒造では3割5部ほどまで精米する。
純米酒
米と水、麹だけで造る日本酒。
醸造酒
途中までは純米酒と同じ製法で造り、最後に醸造アルコールを入れたもの。

酒蔵内部に於いても、以前からある琺瑯タンクは変わらないが、
開業云百周年と言うことで新たに木製の樽が一つ造られていた。


小澤酒造から御岳駅
小澤酒造見学後、再び沢井駅に戻ると案の定遅刻してきたMooMoo氏を発見。
合流して小沢酒造の売店等を見た後、鵜の瀬渓谷(多摩川)に架かる吊橋を渡り、
周囲の美しい景色を堪能した後、対岸の寒山寺へ向かう。

寒山寺は『蘇州夜曲』にも歌われる中国江蘇州にある寒山寺の分家で、
明治18年に書家田口米舫氏が清国に遊学中寒山時に訪れた折、
主僧の祖信師より日本寒山寺の建立を願って仏像を託されました。
帰国後、諸国を旅した田口氏が寒山寺建立の地として選んだのが澤井の地でした。
当時其の周辺の土地を所有していた小澤酒造当主小澤太平氏の尽力もあって、昭和5年に落慶。
青梅鉄道の開発とともに、中国の故事を慕った文化人が多数訪れて賑わいを見せました。

寒山寺で御参りを済ませた後、其の横にある見晴台にて昼食。
握り飯3ヶ、芋の煮っ転がし、卵焼き、大学芋、メンチカツを食べた。
MooMoo氏に握り飯1ヶと卵焼き1ヶを進呈し、しばし休憩。

寒山時を出た後は川沿いの遊歩道を上って行くのだが、
あちらこちらに雪が残っていたり、道の一部が凍っていたりと、奥多摩の寒さを目の当たりにした。
其の他にも、ところどころで岩登りや、カヌーを行っている人を見かけたり、
沢(湧き水?)や、お地蔵様(個人が慰霊のためにおいたものもあるのだろうか?)も幾箇所か見かけた。

道のりの半分ほどのところに『お山の杉の子』の歌碑を見つけたりした。


御岳駅から川井駅
御岳駅に着いたものゝ電車の時間が遅かったため、歩いて川井へと向かうことにする。
御岳駅の旧改札口を覗いた後、道なりに歩いていると雑貨屋(食品、雑貨、酒などを商う)に正体不明のチラシを発見。
『こんにゃくソーダあります』
之は一体如何なる物か、と調査。
何のことはない。
店員(店長?)さん曰く、
「こんにゃくを作るときにこんにゃくを固めるために使うものだよ。
 このあたりではみんなこんにゃくを作るんだ。」
とのことである。
そういえば、一山超えた五日市に住む大家(本家)のおばあさんもこんにゃくをこさえていた。

其の後だんだんと人家が見えなくなり、只黙々と歩道を歩く。

いい加減疲れてきた時、ふと見上げると線路沿いに建物を発見。
ようやくは駅に着いたか、と思い少し戻って線路下の隧道を覗く。
すると、
『隋道(トンネル)を抜けると、そこは小さな集落でした。』
と云う、某活動写真のような宣伝文が浮かんでくるような光景に感動。
暫し喜びを感じたものゝ、建物は信号所で、更に近くに駅が見えず落胆。

更に歩いて行くと『大正橋』なる橋にさしかかった。
『カフエー大正浪漫』店主としては調べないわけにはいかんと、調査を開始、
其のとき偶然にも、橋上方に河合駅があることが判明し二重の喜びである。

川井から奥多摩
当初予定では鳩ノ巣にて温泉に浸かる予定であったが時間が合わないため、
終点の奥多摩まで下り温泉施設に向かうことに変更し電車を待つ。
蒸気機関車が走れば絶好の撮影場所なのに、と残念に思いつつ、
到着した電車に乗って、無事に奥多摩へとたどりつく。
奥多摩駅は関東の駅百選に選ばれてもおかしくないよい駅であった。


もえぎ温泉
奥多摩駅周辺を散策しながらもえぎ温泉へと向かう。
もえぎ温泉は3時間750円と割合妥当な値段である。
内風呂と露天風呂の両方にあわせて1時間半弱浸かり、日ごろの疲れと浮世の垢を流す。

十分に温泉を堪能、休憩した後、家路に着く。

次回は奥多摩湖に向かい、やはり帰りは温泉に浸かろうということで同意する。


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