そも八八艦隊とは如何なる物であるか(大正14年第1版・昭和6年第82版『廣辭林』より)
一艦隊 | |
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超弩級戦艦 (例:長門型) | 巡洋戦艦 (例:金剛型) |
艦型名 | 計画艦名 計画数 | 主な艦影 | 整備状況 |
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長門級戦艦 | 長門、陸奥 | 長門級 | 両艦とも完成 |
加賀級戦艦 | 加賀、土佐 | 加賀級 | 加賀のみ空母に改装し完成 |
紀伊級戦艦 | 紀伊、尾張、 11号艦(近江)、 12号艦(駿河) | 紀伊級 | 未完成 |
天城級巡洋戦艦 | 天城、赤城、 高雄、愛宕 | 天城 | 赤城のみ空母に改装し完成 |
13号艦級巡洋戦艦 | 13号艦、14号艦、 15号艦、16号艦 | 13号艦 | 未完成 |
翔鶴級航空母艦 | 2隻 | 未完成 | |
天龍級軽巡洋艦 | 6隻 | 天龍 | 完成 |
古鷹級大型巡洋艦 | 3隻 | 古鷹 | 完成 |
峯風級、若竹級 其の他駆逐艦 | 峰風 若竹 | 完成 |
1.各条約締結国の主力艦合計トン数 大日本帝國 315,000トン(320,040「メートル式」トン) 亜米利加合衆国 525,000トン(533,400「メートル式」トン) 大不列顛愛蘭連合王国 (大英帝国) 525,000トン(533,400「メートル式」トン) 佛蘭西国 175,000トン(177,800「メートル式」トン) 伊太利国 175,000トン(177,800「メートル式」トン) 此れが所謂5:5:3(米:英:日)の比率である。 2.新造艦について 基準排水量35,000トン(35,560「メートル式」トン)以上の主力艦の 取得、建造、法域内での建造許可発行を禁止する。 亦、主力艦の主砲口径は40.6cmを超えることを禁止する。 3.航空母艦について 各国の航空母艦合計トン数(基準排水量) 大日本帝國 81,000トン( 82,296「メートル式」トン) 亜米利加合衆国 135,000トン(137,160「メートル式」トン) 大不列顛愛蘭連合王国 (大英帝国) 135,000トン(137,160「メートル式」トン) 佛蘭西国 60,000トン( 60,960「メートル式」トン) 伊太利国 60,000トン( 60,960「メートル式」トン) 航空母艦の代換は1921年11月12日以前に保有、建造中のものは、 試験艦として扱い、艦齢に関わらず保有トン数内で代換可能とする。 基準排水量27,000トン(27,432「メートル式」トン)以上の航空母艦の 取得、建造、法域内での建造許可発行を禁止する。 但し、各国割当トン数を超えない限り、基準排水量33,000トン (33,528「メートル式」トン)を超えざる航空母艦2隻まで建造することができる。 上記には、廃棄すべき、若しくは建造中の主力艦中の2隻を利用することができる。 基準排水量27,000トンを越える航空母艦の備砲中に15.2cm以上の口径の物があるときは、 航空機防御砲の口径12.7cm以下の砲を除く、其の他の備砲は8門までとする。 上記以下の空母も、20.3cm以上の砲を装備することを禁止し、 備砲中に15.2cm以上の口径の物があるときは、 航空機防御砲の口径12.7cm以下の砲を除く、其の他の備砲は10門までとする。 但し、15.2cm以上の砲がない時は、備砲の装備数制限はなしとする。 4.其の他軍艦 主力艦亦は、航空母艦以外の全ての軍艦は、 基準排水量10,000トン(10,160「メートル式」トン)以上の艦の 取得、建造、法域内での建造許可発行を禁止する。 本条約は、平時民間、政府用艦船として使用していても、 戦時には軍用艦に重用する予定のある艦全てに適用されるものとする。 将来起工するこれら其の他の軍艦は20.3cm以上の砲の装備を禁止する。 5.廃棄主力艦の利用 航空母艦に転用が認められた主力艦以外は、再び軍艦としての使用する事を禁止する。 6.商船の軍艦改装準備 軍艦に改装することを目的として、平時より武装準備を施すことを禁止する。 但し、15.2cm以内のほうを装備するための甲板の補強は可能とする。 7.非締約国軍艦 締約国が非締約国のために建造する同型の軍艦は、 条約の規定内の性能で作らなければならない。 非締約国のために建造する航空母艦は如何なる場合にも、 基準排水量27,000トン(27,432「メートル式」トン)を超えてはならない。 非締約国のために軍艦を建造する締約国は、他の締約国に対して、 契約締結日、竜骨据付日、規定されたる細目を通知せねばならない。 戦争に従事する時、法域内の他国のために建造中の軍艦、 または建造後引渡し前の状態にある艦を自国の軍艦として使用してはならない。
八八艦隊と其の計画艦、日露戦争から八八艦隊構想、第一次大戦の影響、ワシントン軍縮条約
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